あらすじ： “怒れる若者たち”の代表的作家の一人で、「土曜の夜と日曜の朝」のアラン・シリトーの短編小説集に収録された同名短編をシリトーが自ら脚色、“ブリティッシュ・ニューウェイヴ”の旗手トニー・リチャードソン監督が映画化。イギリス映画史に燦然と輝く超辛口の青春映画で、『運動靴と赤い金魚』にも大きな影響を与えたといわれる1本。主演のトム・コートネイが第17回英国アカデミー賞最優秀新人賞を受賞した。

　1928年生まれのトニー・リチャードソン監督はアラン・シリトー、ジョン・オズボーンら“怒れる若者たちの作家たちと同世代。オズボーン原作の『怒りを込めて振り返れ』(1958)で監督デビュー後、『寄席芸人』(1960)、『蜜の味』(1961)、本作を経て1963年の『トム・ジョーンズの華麗な冒険』でアカデミー賞監督賞を受賞。他に『マドモアゼル』(1966)、『ボーダー』(1981)、『ホテル・ニューハンプシャー』(1984)などを監督した。
　労働階級の貧しい母子家庭で育ったコリンは、窃盗の罪で感化院に送られる。彼はそこで長距離走の選手に選ばれ、トレーニングを受けるうち、走ることが好きになっていく。コリンの才能を知った院長は、彼を競技大会に出場させようとするが、コリンはそれが、感化院の宣伝と院長自身の点数稼ぎのためだと気づいていた。大会当日、コリンは圧倒的な速さで他を引き離し、ゴールは目の前だった…。


【配信期間：2021年11月14日～12月13日】