あらすじ：名匠・加藤泰監督が81年に発表した遺作にして、創作和太鼓集団「鬼太鼓座」をテーマにした異色の音楽ドキュメンタリー。美術デザインに横尾忠則、電子音楽に一柳彗、鬼剣舞演出に関矢幸雄、お七振付に花柳照奈がスタッフで参加。脚本と助監督は仲倉重郎。加藤泰生誕100年を記念して2016年に製作され、第73回ヴェネチア国際映画祭クラシック部門でワールドプレミア上映されたデジタルリマスター版。

　2年の歳月をかけて1981年2月に完成後、初公開時はイベント上映以外、広く一般公開はされず、長い間幻の作品となっていたが、このリマスター後、日本では第17回東京フィルメックスで上映後、2017年1月に正式に劇場公開された。「鬼太鼓座」は現在も活動を続けているが、この映画に登場するメンバーは「鬼太鼓座」を離れ「鼓童」を創設。林英哲はその後、ソロ和太鼓奏者として独立した。
　海を渡って佐渡ケ島にやってきた若者たちがいた。鬼太鼓座の座員として彼らは積雪の町や海岸を走り、体を鍛え、和楽器の演奏に没頭する。「鬼剣舞」、「櫓のお七」、「桜変奏曲」、「佐渡おけさ」、「大太鼓」「モノクロームⅡ」「屋台囃子」、「津軽じょんがら節」など、数々の力強い彼らの演奏が、神社、海岸、商店街等のロケ、映画ならではの櫓や火山を模した美術セットを背景に、加藤泰監督独自のスタイルによって描かれる。


【配信期間：2021年11月5日～12月4日】