オススメポイント：　現代トルコ映画界を代表する名匠セミフ・カプランオールが2010年に発表した、『卵』(2007)、『ミルク』(2008)と同じ人物を主人公にした“ユスフ3部作”の3作目。第60回ベルリン国際映画祭で金熊賞とエキュメニカル審査員賞に輝き、第83回アカデミー賞外国語映画賞トルコ代表に選出、第29回イスタンブール国際映画祭やヨーロッパ映画賞など世界各国の映画祭・映画賞で絶賛された。カプランオール監督はユスフの青年期を描いた3部作の1作目『ミルク』の脚本執筆中に、主人公の大人になった未来を描く『卵』と幼少期を描く本作のアイデアが生まれたという。同監督は大自然を背景にした叙情的なこの3部作の後、これまでとは全く違うタッチの近未来SF『グレイン』(2017)でモノクロ映像によるディストピア世界を描き第30回東京国際映画祭東京グランプリに輝いた。