あらすじ：数々の名作と共に未完企画の多さで、“呪われた天才”とも呼ばれる映画界の巨人オーソン・ウェルズ。彼の監督第3作は製作会社とトラブルになり、フィルムが消失。1985年に発見され、修復が開始された直後、ウェルズが世を去ってしまう。8年後、ウェルズの企画に基づき復元された本編と製作秘話で構成される本作が完成、ニューヨーク映画祭でワールド・プレミアが行なわれ、喝采を浴びた。

　1941年に開始された企画はデューク・エリントンとの「JAZZ STORY」を含む4話のオムニバスだった。だが、世界大戦を背景にアメリカ政府は製作会社RKOを使って南米との文化交流を目的とした観光映画を望んだ。ウェルズはそうした意図を無視して社会派ドラマを撮影。RKO製作で同時進行していた『偉大なるアンバーソン家の人々』の編集権トラブルもあり、事態は収拾不可能となってしまう。
　前半はかつてこの映画の製作に関わった人々へのインタビューと製作秘話、後半は復元された１挿話「いかだの4人」の全編。「いかだの4人」は、ブラジルの貧しい漁師が社会保障を求めて政府への抗議行動を行なうためにいかだで61日間かけて大統領に直訴しにいくという物語。日本での劇場公開時にはフランス語ナレーション版が上映されたが、今回はオリジナル英語版での配信となる。

【配信期間：2021年8月2日～8月31日】