あらすじ：グリニッジ・ヴィレッジにある小さなギター店「カーマイン・ストリート・ギター」。世界中のギタリストを魅了するその店にはニューヨークの建築物の廃材だけを使って、世界でひとつだけのギターを作るというルールがあった。ギターを愛する人々が集うそのユニークな店に一週間密着し、有名ギタリストたちの証言を交えて描く、ニューヨークという歴史ある街と音楽への愛に満ちたドキュメンタリー。

　従業員はパソコンも携帯も持たない寡黙なギター職人のリック・ケリー、見習いでインスタグラム担当のシンディ、店番と電話番のリックの母親のたった3人。チェルシー・ホテルやリンカーンホテル、街で最古のバー・マクソリーズなど、工事の知らせを聞いたリックが廃材を持ち帰り、最高のギターとして復活させることで、長年愛されてきたニューヨークの街の歴史がギターの中に永遠に生き続ける。
　ルー・リード、ボブ・ディランといったビッグネームが、リックのギターを愛用しており、ビル・フリゼール、マーク・リーボウ、チャーリー・セクストンなど、この店を愛する人気ギタリストが次々と訪れては、リックの作ったギターを手にし、幸せそうに奏でていく。監督のロン・マンは、ジム・ジャームッシュに、この店を紹介されて感動し、そのすべてをカメラに収めておかなければならないと、この映画を企画した。