あらすじ：第68回ベルリン国際映画祭でワールド・プレミアが行なわれ、国際批評家連盟賞と最優秀新人監督賞スペシャルメンションを受賞した他、第55回金馬奨最優秀作品賞など、世界中で数多くの賞を受賞し、世界を驚かせた魂の234分。だが、監督のフー・ボーは本作完成直後の29歳の若さで自ら命を絶っていた。これは彼が自身の短編小説を映画化した長編デビュー作にして遺作である。

　フー・ボーは1988年山東省生まれ。北京電影学院で映画製作を学んだ。卒業後、3本の短編映画と1冊の長編小説、2冊の中短編集を出版。その才能が各方面から熱い視線を浴びていた。2017年10月12日死去。自殺の理由は不明だが、本作の短縮を希望する製作者とのトラブルがあったことは報告されている。彼の死後、作品は彼の希望する完全な版で上映や配信が行なわれている。
　炭鉱が廃れ活気を失った中国のある田舎町。少年ブーは不良とトラブルになり、誤って彼を階段から突き落としてしまう。ブーは不良の兄で町を仕切るチェンに追われ街を出るが、悩みを抱える女友達のリンと、近所の老人ジンも彼に同行する。ブーを追うチェンもまた、かつて親友を自殺に追い込んだ自責の念に悩んでいた。やがて彼らは、一日中ただ座り続けている象がいるという、はるか遠い内モンゴル満州里の動物園を目指していく…。


【配信期間：2021年10月12日～11月10日】