あらすじ：デンマークの鬼才ニコラス・ウィンディング・レフン監督の監督デビュー作『プッシャー』(1996) の8年後に製作された続編。本国のTVシリーズに出演して人気者になっていたマッツ・ミケルセンを主演に据え、彼が前作で演じた下っ端麻薬密売人トニーを主人公にした過激で哀愁漂う物語が展開される。さらにリアルを追求するレフン演出もまさに体当たりのミケルセンの演技も格段にレベルアップし、3部作中の最高傑作となった。

　レフン監督はこの作品のヒットで前作『FEAR X』(2003)の失敗で背負った借金と不名誉を挽回し、世界的作家レースに復帰。翌年にはズラッコ・ブリッチ主演で3作目『プッシャー３』(2005)を発表する。ミケルセンは今作でデンマーク映画批評家協会のボディル賞、デンマーク映画アカデミーのロバート賞など、国内の主要男優賞を独占、北欧のトップ俳優として世界が注目する存在となっていく。
　出所した元麻薬密売人トニーは、更生して真面目に生きようと決めていたが、彼の周りには麻薬と犯罪しかなかった。彼の父はコペンハーゲンで最も凶悪なギャングで、息子である彼に借金を返せと迫り、さらに殺しの仕事まで命じる。一方、彼は麻薬常習者シャーロットとの間に自分の子供がいたことを知り戸惑うばかり…。彼は裏社会から抜け出すどころかさらに深みにはまっていくのだった…。

【配信期間：2021年9月29日～10月28日】