あらすじ：篠田正浩監督が石原慎太郎の短編小説をモノクロ＆シネマスコープの映像でスタイリッシュに映画化した1964年の和製フィルム・ノワールの名作。海外の監督たちの間でとても人気が高く、マーティン・スコセッシが気に入ってフィルムを買い30回見たという逸話や、本作のオペラ曲をバックにした殺人シーンをフランシス・フォード・コッポラが『ゴッドファーザーPARTⅢ』(1990)の暗殺シーンの参考にしたという話は有名。第72回（2022）ベルリン国際映画祭クラシック部門に出品された4Kリマスター版での日本初配信。

　3年の刑期を終えて出所したやくざの村木は、組の賭場に顔を出した。彼はそこで、賭場には場違いな若い女、冴子が、驚くほどの度胸の良さで花札賭博に勝ち続け、場をさらっていく姿を目撃する。村木は冴子に声をかけ、彼女の中に自分と同じ孤独と退屈、破滅願望があることを知る。冴子は村木にもっと大きな賭けのできる場所を紹介して欲しいと頼み、村木は他の組が仕切る賭場に案内する。その賭場には、殺しと麻薬にだけ生きている香港帰りの不気味な男、葉（よう）が出入りしていた。村木は男に危険な匂いを感じるが、冴子はその男に興味を示すのだった…。


【配信期間：2022年2月28日～3月29日】