Nomura Yoshitaro
特集:映画監督・野村芳太郎 多彩なる多才のアルチザン
没後20年(2025年)から―生誕110年(2029年)へ
多彩なる多才のアルチザン
映画監督・野村芳太郎
日本映画界に新境地を開拓した骨太サスペンスから風刺の効いた喜劇、青春ドラマ、時代劇、女性映画まで、その才能は多彩なジャンルに及び、生涯の監督作品は88本にのぼる、多彩なる多才のアルチザン<職人>、野村芳太郎が残した幻の傑作7本を日本独占初配信。
『最後の切り札』(1960)【2025年3月7日~9月3日配信】
『鑑賞用男性』(1960)【2025年3月18日~9月14日配信】
『背徳のメス』(1961)【2025年3月25日~9月21日配信】
『左ききの狙撃者 東京湾』(1962)【2025年4月2日~9月29日配信】
『望郷と掟』1966)【2025年4月9日~10月6日配信】
『女たちの庭』(1967)【2025年4月15日~10月12日配信】
『ダメおやじ』(1973)【2025年4月22日~10月19日配信】
【没後20年(2025年)から生誕110年(2029年)へ 多彩なる多才のアルチザン 映画監督・野村芳太郎
再発見&再評価プロジェクト始動】Presented by 松竹
松本清張原作『張込み』『ゼロの焦点』『砂の器』など、骨太な魅力に溢れたサスペンス作品群で日本映画界に新境地を開拓してきた監督・野村芳太郎。その才能はサスペンスだけではなく、風刺の効いた喜劇(コメディ)・青春ドラマ・時代劇・女性映画など多彩なジャンルに及び、監督として手掛けた劇場公開映画は88作品、プロデューサー(製作者)としても辣腕を揮い、脚本・企画・原案、テレビ作品も加えると実に110作品にものぼる。まさに多彩なる多才のアルチザン<職人>なのである。
黒澤明監督をして最高の助監督と言わしめ、山田洋次監督をはじめとする優秀なスタッフを育てたことも含め、日本映画史に偉大な業績を残した野村芳太郎監督の再発見と再評価を目指し、きたる没後20年の2025年を皮切りに、「没後20年(2025年)から生誕110年(2029年)へ 多彩なる多才のアルチザン 映画監督・野村芳太郎」と銘打ち、JAIHOとのコラボレーションを含めたプロジェクトが始動します。
①書籍「砂の器 映画の魔性 監督 野村芳太郎と松本清張映画」刊行
&刊行記念特集上映「監督・野村芳太郎が描く、作家・松本清張の世界」開催
書籍「砂の器 映画の魔性 監督 野村芳太郎と松本清張映画」(樋口尚文 編著/筑摩書房 刊/刊行日 :2025年3月10日/価格 :2,750 円)
および、
刊行記念特集上映 (東京池袋・新文芸坐) 「監督・野村芳太郎が描く、作家・松本清張の世界」開催
公開から半世紀を経た今も人気の映画『砂の器』。
松本清張原作を大胆に映像化した脚本・監督・音楽家による仕掛けとは?
本書では、初公開秘蔵資料をもとに、その秘密に迫る!
また、本書の刊行記念として3/1~3/14、池袋・新文芸坐にて、特集上映「監督・野村芳太郎が描く、作家・松本清張の世界」が開催。『ゼロの焦点』『砂の器』や、未ソフト化作品『迷走地図』など清張映画7本を上映。初日3/1(土)には、著者・樋口尚文氏と、春田和秀氏(『砂の器』子役=秀夫役)のトーク&サイン会も予定。
3/1~3/14池袋・新文芸坐
上映作品:
『ゼロの焦点』『影の車』『砂の器』『鬼畜』『わるいやつら』『疑惑』『迷走地図』
② JAIHOにて幻の7作品(全て未DVD化)を日本独占【初】配信!
上記参照
③ 「午前十時の映画祭15 デジタルで甦る永遠の名作」にて『砂の器』上映 (全国劇場で6/27~7/24)
これまで「午前十時の映画祭」で上映した全316作品の中から、71,742票のリクエストから厳選した25本を、6/27~7/24の約1年間、上映期間は1作品2週間を基本とし、全国の映画館で連続上映。
『砂の器』は6/27~7/24上映。
「午前十時の映画祭15」公式HP
④野村芳太郎 公式HP開設 & 公式ロゴ制作
野村芳太郎 公式HP
公式ロゴ
⑤CS放送チャンネル「衛星劇場」
特集「野村芳太郎 没後20年 芳太郎&芳亭 親子鷹」4月放送
「衛星劇場」特集ページ
放送作品:●野村芳太郎監督作品 ★父・野村芳亭監督作品
●『ねずみ小僧怪盗伝』(1984)
ねずみ小僧は、実は姉弟の二人一役だった・・・。そんな奇抜な設定で、小川真由美、中村雅俊の名コンビが贈る、オカシクて素敵な時代劇コメディ。
脚本:ジェームス三木/古田求 出演:小川真由美/中村雅俊/松坂慶子/中条きよし/丹波哲郎 他
●『鳩』(1952)
一人の少年の責任感と周囲の無理解を通して青春の孤独を描く。
出演:石浜朗/有島一郎/美山悦子/草香田鶴子/磯貝元男/北竜二 他
●『昭和枯れすすき』(1975)
都会の荒波に押し流されながらも懸命に生きる刑事の兄とヤクザな妹!
出演:高橋英樹/秋吉久美子/伊佐山ひろ子/下條アトム/鈴木瑞穂/池波志乃 他
★『天龍下れば』(1933)
天龍川下りを見物に来た東京の学生と、地元の芸者との淡い恋愛を描く。
出演:川崎弘子/竹内良一/江川宇礼雄/水久保澄子
★『婦系図』(1934)
新派永遠の名作、お蔦と主税の悲恋物語を大女優田中絹代が演じた究極の悲恋絵巻!
原作:泉鏡花 出演:田中絹代/岡譲二/志賀靖郎/吉川満子/大塚君代/武田春郎
⑥ BS放送チャンネル「BS松竹東急」(BS260ch・全国無料放送)
「BS松竹東急」公式HP
『砂の器』(1974/原作:松本清張)
親子の愛情と絆、逃れられない宿命を、渾身の演出で焼きつける壮大なサスペンス。
出演:丹波哲郎/加藤剛/森田健作/島田陽子/山口果林/加藤嘉/春田和秀/緒形拳/渥美清/笠智衆 他
『八つ墓村』(1977/原作:横溝正史)
原作を大胆に脚色、オカルト色を前面に押し出し、怨念が生む連続殺人事件を描く。
出演:萩原健一/小川真由美/田中邦衛/夏八木勲/藤岡琢也/山崎努/渥美清 他
『事件』(1978/原作:大岡昇平)
一人の青年を愛した、姉と妹。刺殺事件の真相と不安定な青春が赤裸々に暴かれる。
出演:松坂慶子/永島敏行/大竹しのぶ/山本圭/夏純子/渡瀬恒彦/丹波哲郎/芦田伸介 他
※2025年11月放送予定
※放送時期・作品は変更の可能性があります。
【略歴】
1919年(大正8年)4月23日、映画監督で松竹蒲田撮影所の名所長と謳われた野村芳亭の長男として浅草で誕生、撮影所を遊び場として、東京と京都を往復して育つ。暁星学園を経て慶應義塾大学に進学、太平洋戦争勃発に伴い繰り上げ卒業。松竹に入社するも、1942年に応召され、インド東部インパール作戦に従軍する。奇跡的に生還し、松竹に復職。川島雄三、黒澤明監督らの助監督として活躍後、1952年『鳩』で監督デビュー。1958年に初の松本清張原作の『張込み』で評価を高めた。『ゼロの焦点』(1961)、『背徳のメス』(1961)、『左ききの狙撃者 東京湾』(1962)、『影の車』(1970)、『砂の器』(74)、『事件』(78)など、松本清張原作を中心にサスペンスの傑作を次々に発表。時に社会派要素の強い重厚な作品もあったが、概ね、いや、悉くが、エンターテインメント性に富んだ作品であった。そのいっぽうで、のちに『男はつらいよ』シリーズの主人公・車寅次郎役で名優となる渥美清の名演技を引き出した『拝啓天皇陛下様』(1963)など、庶民の立場に寄り添った喜劇や青春ドラマ、ラブコメなど、多彩なジャンルで作品を作り続けた。1973年、脚本家・橋本忍主宰の橋本プロに参加。1978年には松本清張と霧プロを設立。プロデューサーとして、『八甲田山』(77)、『天城越え』(83)などを手掛けた。1990年、脳出血で倒れた後も自宅で企画を練るなど、現場復帰に意欲を持ち続けたが、2005年4月8日、85歳で死去。1985年のアガサ・クリスティー原作『危険な女たち』が遺作となり、生涯の監督作品は88本だった。
2025年、没後20年を迎え、2029年には生誕110年を迎える。
【フィルモグラフィー】